私が徘徊する近所の低山で、これまで見たことのあるキイチゴ属は、ナガバモミジイチゴ(多)、ニガイチゴ(多)、クサイチゴ(多)、ナワシロイチゴ(多)、フユイチゴ(多)、アイノコフユイチゴ(中)、クマイチゴ(少)、エビガライチゴ(少)、といったところ。
しかし、ごくごく近所で、よく分からぬのを見つけた。
最初は、葉の形や大きさから、クマイチゴと思ったのである。行者山で見つけたのは初めてだったし、「おっ」と思った。
ところが、葉の表面には毛がない。その他、樹皮にトゲはあるが、クマイチゴにしては少ないなど、違う点が複数ある。
第二候補として、ニガイチゴを考えた。周囲のニガイチゴと比べると、明らかに葉が大きいが、何かの原因で育ち過ぎただけかも知れないし。
でも、葉裏の脈上や葉柄には、毛があるのである。ニガイチゴなら、無毛であるはず。
第三候補としてカジイチゴも考えたが、トゲがある点で異なるし、そもそも六甲山系にあるという情報はない。
改めて考え直すと、ニガイチゴとクマイチゴの中間という感じです。
ネット上の情報を細かく見ていくと、そもそもキイチゴ属は雑種が多いらしい。そしてやっと、ニガクマイチゴという両者の雑種がある、との情報にたどり着きました。これですかねえ。。
本当にちゃんと同定するには、論文を読む必要がありそうです。さすがにそこまでする気は今のところありませんし、「ニガクマイチゴ(仮)」ってことで、私の中では一応の決着とすることにします。
てなわけで、(仮)ではあるけど、わが行動範囲内でのキイチゴ属コレクションに、新たなのが一つ加わった平成の終わりでした。