リョウブが新葉を出し始めていました。明るい陽射しに輝いて、とても美しかったです。
リョウブは、我が近所の山にたくさんある木の一つで、明るい場所に多い高木。花の少ない夏に白い花を咲かせるし、樹皮の模様が独特なので、大好きな木です。庭木や公園樹としても使われるそうだけど、身近な割には一般的な認知度は高くないような気がする。
※せっかくなので、写真を三枚追加しました。
漢字で書くと「令法」。「令和」の「令」が使われている植物って、他にありましたっけ? 植物を漢字表記することがほぼないので、よく分かりませぬ。もし他にあまり無いのなら、時勢に乗って少しは知名度が増す・・・なんてことは無いだろうなあ。
春の季語です。救荒植物として、この新葉が使われたから。
令法つみかかる山路にあき俵
鴻水「新類題発句集」
一句だけ、検索に引っかかりました。この木を句に詠む人は少ないようだ。
春の山道が、雪解けのせいなのか、ぬかるんで歩きにくいから、古い俵が敷かれている、という風景だと思います。私ごときが評価するのはおこがましいが、凡句っぽい。でも江戸時代の山道の一光景が見えてきますし、写真代わりの一句としての価値を私は感じました。
リョウブ同様、少し山に入ればたくさんあるのに、句に取り上げられない木は多数ある。知名度が低く、他人と感動を共有しにくい木々が。そこに私のような人間の新規開拓の余地はありそうだが、無関心という高い高い壁を乗り越えなくては、声は世間に届かない。それも冒険の一種だと思っているんだが、難しい。
年輪は名もなき朝の積み重ね