Nature Around Takarazuka

兵庫県宝塚市周辺の自然や、川柳などの雑記帳

リョウブ (川柳、その9)

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リョウブ1 2019年4月 兵庫県宝塚市行者山

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リョウブ2 同上

 

 リョウブが新葉を出し始めていました。明るい陽射しに輝いて、とても美しかったです。

 リョウブは、我が近所の山にたくさんある木の一つで、明るい場所に多い高木。花の少ない夏に白い花を咲かせるし、樹皮の模様が独特なので、大好きな木です。庭木や公園樹としても使われるそうだけど、身近な割には一般的な認知度は高くないような気がする。

 

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リョウブの花 2018年7月 宝塚市行者山

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リョウブの幹、萌芽更新 2016年11月 宝塚市樫ヶ峰

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リョウブ黄葉 2016年11月 宝塚市中山連山方面

※せっかくなので、写真を三枚追加しました。

 

 漢字で書くと「令法」。「令和」の「令」が使われている植物って、他にありましたっけ? 植物を漢字表記することがほぼないので、よく分かりませぬ。もし他にあまり無いのなら、時勢に乗って少しは知名度が増す・・・なんてことは無いだろうなあ。

 春の季語です。救荒植物として、この新葉が使われたから。

 

令法つみかかる山路にあき俵
鴻水「新類題発句集」

 

 一句だけ、検索に引っかかりました。この木を句に詠む人は少ないようだ。

 春の山道が、雪解けのせいなのか、ぬかるんで歩きにくいから、古い俵が敷かれている、という風景だと思います。私ごときが評価するのはおこがましいが、凡句っぽい。でも江戸時代の山道の一光景が見えてきますし、写真代わりの一句としての価値を私は感じました。

 

 リョウブ同様、少し山に入ればたくさんあるのに、句に取り上げられない木は多数ある。知名度が低く、他人と感動を共有しにくい木々が。そこに私のような人間の新規開拓の余地はありそうだが、無関心という高い高い壁を乗り越えなくては、声は世間に届かない。それも冒険の一種だと思っているんだが、難しい。

 

年輪は名もなき朝の積み重ね